派遣村ブログ

実行委員会解散後、「年越し派遣村の必要ないワンストップ・サービスをつくる会」からの情報発信を行っています。

シンポジウム 検証!公設派遣村

2010-03-24 12:52:07 | 日記
日時:2010年3月28日13:30-16:30
場所:四谷地域センター・ホール

年末年始に国と東京都がおこなった「公設派遣村」には
900人を超える人が集まりました。今回は「無断外泊
200名」など否定的な報道も続きましたが、本当の実態
はどうだったのか、東京都の運営の実際は? など、疑問
も浮かんできます。

私たちワンストップの会は、民間団体として利用者の相談
活動にあたってきましたが、その中で感じているのは、
不況の深刻化とその下での生活破壊のひろがりです。

国と東京都が屋根と食事を用意して年末年始に特別対策を
おこなったことは大きな前進ですが、問題点も浮き彫りに
なったと考えます。「公設派遣村」とは何だったのか、そ
して今後の課題について、みなさんと考えたいと思います。

・スライド上映・公設派遣村の記録
・主催者あいさつ 代表・宇都宮健児弁護士
・シンポジウム「検証!公設派遣村」
・鎌田慧(ジャーナリスト) 雨宮処凛(作家)
 滝沢香(実行委員・弁護士) 井上久(実行委員・労組役員)

東京都新宿区内藤町87番地 四谷区民センター11F
地下鉄 丸の内線「新宿御苑前」駅より徒歩5分
主催:ワンストップの会
でんわ:080-3432-9023 メール:hakenmura@mail.goo.ne.jp

年末年始の生活総合相談事業を受けての要望

2010-02-03 00:44:47 | 日記
                        2010年 2月 1日
緊急雇用対策本部本部長
   鳩山 由紀夫  殿
東京都知事
   石原 慎太郎  殿

  年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会
   代表 宇都宮 健児(弁護士)、略称:ワンストップの会 
   TEL:080-3432-9023  Email:hakenmura@mail.goo.ne.jp

      年末年始の生活総合相談事業を受けての要望

 私たちワンストップの会は、貴職らが実施された年末年始の「
生活総合相談」事業(いわゆる「公設派遣村」。)に際して、「
つなぐ・つながる総行動」と銘打って、支援活動を実施してきま
した。
 今回、政府と東京都が協力して「年末年始の生活総合相談」事
業、いわゆる「公設派遣村」が実施され、派遣切りや解雇等で仕
事とともに住まいも失った生活困窮者に対して年末年始に屋根と
食事が提供されたことは大きな前進であると評価するものです。
しかしながら、その渦中に身を置いた支援組織として運営の実際
をみていくと、いくつかの重大な問題を指摘せざるを得ません。
政府と東京都が真摯な総括をおこない、恒久的な求職者支援制度
確立に活かしていくことを強くもとめるものです。同時に、長引
く不況を打開するためにも、大企業の雇用責任を明確化して雇用
破壊に歯止めをかけること、仕事づくりの大運動が求められてい
ます。
 以上の観点から、以下のとおり要望事項を提出いたします。国
と東京都が一致協力して、この要望事項の実現に真摯にとりくま
れることを強く求めるものです。

            記

1. 東京都および全国の「年末年始・生活総合相談」事業の実
施状況を集約し、正確な数字等を発表するとともに、その成果・
問題点を明らかにすること。特に東京都においては、事業を中止
した1月18日以降の進捗状況を利用者本人および市区町村等の実
施機関から集約して、事業の成果・問題点を教訓化し、今後に活
かすこと
 本年末年始には東京都をはじめ多くの自治体が「生活総合相談
」事業等を実施しましたが、その全国的な実施状況を把握し、今
後に活かしていくことが必要です。特に東京都においては、期間
中の広報が不十分で「無断外泊200名」など事実に反する報道が
続き、それが訂正されなかった点について強力な是正措置が必要
です。また、1月18日をもって同事業が終了となりましたが、それ
以降もワンストップの会には利用者からさまざまな相談が寄せら
れているところであり、18日以降の状況を集約して同事業の成果
・問題点を教訓化することが求められています。

2. 生活保護制度に関して、その適切かつ統一的な運用を再度
周知徹底すること。特に、派遣切り・解雇等の影響で住まいを失
った状況にかんがみ、アパートへの入居を原則とするとともに、
生活困窮状態を踏まえて下記の取り扱いを徹底すること
 派遣切りや解雇等に起因して住まいを失った労働者は、それま
で普通に生活し働いてきた人々であり、アパート等での生活を原
則として速やかに住居の確保をはかることを大原則とすべきです
が、今回も一部福祉事務所では一定期間の施設入所を原則とする
動きがありました。この点で、アパート確保が原則であることを
再度周知徹底すべきです。また、福祉事務所によっては家具什器
費に特別基準を適用しないとか、被服費や携帯代を出さないなど
の運用もみられるなど、利用を制限するさまざまなローカルルー
ルが報告されています。利用者の速やかな生活再建を保障するた
めに、適切かつ統一的な運用の徹底をはかるべきです。
① 住まいを失い所持金も底を尽きかけた労働者・市民の相談に
際しては、職権で可及的速やかに保護決定をおこなうこと
② 派遣切りや解雇等に起因する生活困窮から住まいを失った労
働者・市民については、速やかな住居確保による保護を原則とす
ること
③ アパート確保までの間は、ビジネスホテル等の個室をシェル
ターとして自治体が確保すること。それが困難な場合は、住宅扶
助の1.3倍額を適用してカプセルホテルやネットカフェ等の利用
を保障すること
④ 心身等の状況から、さまざまな支援制度を利用してもなお施
設保護を一定期間おこなわざるを得ない場合も、本人の納得を前
提とした上で、療養に適した公的な個室施設を確保すること。高
額な利用料を徴収し、門限等の制限の大きい民間宿泊所の利用は
おこなわないこと
⑤ 住まいを失い所持金も底をつきつつある窮迫状態の者の保護
を開始する場合は、速やかな生活再建を保障するため、家具什器
費等には特別基準を保障するとともに、被服費や公営交通機関の
フリーパス等を速やかに支給すること。また、住居確保や就労活
動に資するため、携帯電話代をすべての自治体で支給できるよう
にするとともに、連帯保証人や緊急連絡先の確保に関する支援を
制度化すること
⑥ 心身の健康・栄養状態の悪化や医療中断等の状況を勘案して、
保護開始時の健康チェックや必要な医療の提供等を徹底すること
⑦医療受診、入退院、医療単給で緊急対応した場合等も含め、症
状を悪化させることがないように、速やかに通院移送費を支給す
ること。
⑧ 女性や障害者、病弱者等に対して、その特性を踏まえた相談
機関、福祉制度への繋ぎ等、特別の支援体制を整備すること
⑨ 雇用状況に鑑み、過度な就労指導によって、利用者を追い詰
めることのないように配慮すること。同時に、生活保護希望者に、
自立支援センターや住宅手当の強引な勧誘は止めること

3. 増え続ける住居喪失者への支援を強化するため、シェルタ
ーの確保を抜本的に強化するとともに、政治災害という今日の雇
用破壊の状況を勘案して、生活保護費については全額を国の負担
に改めること。また、住宅政策を抜本的にあらため、生活困窮者
への安価な公営住宅の提供を大幅に増やすこと。
 住居喪失者の生活保護申請が増え続けていますが、シェルター
の確保がすすんでいないことが大きな問題になっています。そう
した整備をすすめた場合には「殺到する」などの不安の声が自治
体関係者から出されているもとで、政府が全国的な数値目標を明
確化するなどの強力な対策が必要です。同時に、今日の雇用破壊
の状況を考えるとともに、最低生活の保障という観点からいえば、
水際作戦を根絶するためにも、保護費の4分の1自治体負担をあら
ため、全額を国庫から支出すべきです。また、住居喪失者が増え
続けるもとで、安価な公営住宅の提供や家賃補助制度の抜本的な
拡充が求められています。

4. 「第2のセーフティネット」に関しては、住宅手当等の手
続きの迅速化をはかり、早急な住居確保、生活再建を保障するこ
となど、今回の利用状況を教訓化し、運用を改善するとともに、
貸付制度を改め、給付制を基本とした求職者支援制度を早急に整
備すること
 東京都における生活再建の利用制度の大半を生活保護が占めた
ことは、「第2のセーフティネット」の不十分さを示すものにほ
かなりません。実際に、住宅手当・生活総合資金等の手続きに時
間がかかり、途中から生活保護に切り替えるなどの事例も続出し
ました。手続きの迅速化をはかることが必要です。また、貸付制
度が大きな比重を占めていますが、これは今日の厳しい雇用情勢
のもとでは将来的な負債を負わせる危険が大きく、今後の恒久的
な求職者支援制度の整備にあたっては、その整備を急ぐとともに、
給付制を原則とした制度に改めることが必要です。

5. 不況の長期化・深刻化を踏まえて、給付期間の延長など、
雇用保険制度のいっそうの拡充を早急におこなうこと
 不況が長期化、深刻化するもとで、今回の「生活総合相談」利
用者の中にも、失業給付も切れ、持ち金が底をつき、ついには住
居を失った人が多数いました。雇用保険の対象を拡大し、すべて
の労働者を対象とした休業給付制度を整備するとともに、支給期
間の延長や支給額の引き上げなど、雇用保険制度の拡充を早急に
おこなうべきです。「第2のセーフティネット」の拡充、恒久的
な「求職者支援制度」の確立にあたっても、雇用保険制度の整備
・拡充が前提とされるべきです。

6. 日常的なワンストップ・サービス体制の構築をおこなうこ
と。特に実施機関の枠を超えた総合相談機能を確立すること。そ
のため、ハローワークや福祉事務所の定員を大幅に引き上げるこ

 年末年始においては、その特殊性から支援事業には制約が大き
いのが実態です。日常的なワンストップ・サービス体制を早急に
整備し、日頃から支援を強めていくことが必要です。ハローワー
クや福祉事務所等に各種制度に精通した総合相談員を配置すると
ともに、その人にあった生活再建策を提示・援助できる権限を持
った特別相談員を配置した機関等を整備する必要があります。ま
た、急迫状況にある方は速やかに生活保護につなげると同時に、
増え続ける相談に対応し、支援体制を確立するため、ハローワー
クや福祉事務所の人員を特別に増やすとともに、専門性の向上を
はかるべきです。

7. 派遣切りの規制強化など雇用破壊に歯止めをかけるととも
に、公的な就労確保を含めた雇用創出策を抜本的に強化すること
 セーフティネットの整備・拡充は喫緊の課題ですが、それだけ
では不十分です。労働者派遣法の抜本改善をはじめ、大企業の雇
用責任を明確化して雇用破壊に歯止めをかけることが不可欠の課
題です。同時に、公的な就労確保など、仕事づくりの国民的な運
動、中小企業への支援策を抜本的に強化し、雇用を創出する特別
対策が必要です。

8. 社会保障予算を増額し、生活困窮者への医療費の減免制度
などを拡充するなど、経済的理由から医療、介護、社会保障から
排除されることのないようにすること
 貧困と格差の拡大、制度改悪のもとで、経済的理由から医療、
介護、福祉から排除される者が増え続けています。特に住まいを
失った生活困窮者の心身の状態は深刻であり、特別対策の実施が
不可欠の課題です。

                                以 上




ワンストップの会・中間総括 

2010-02-02 19:04:30 | 日記
                    2010年2月1日

1.「つなぐ・つながる総行動」として年末年始行動を実施
(1) 私たちは、昨年の「年越し派遣村」を一つの契機に、
その成果と教訓をひろげ、派遣切りや解雇等で仕事や住まいを
失った人々へのセーフティネットを構築しようと、共同したと
りくみをひろげてきました。貧困と格差のひろがり、弱肉強食
の「構造改革」路線への国民の強い怒りが自公政権を退場に追
いこみ、新たに誕生した鳩山政権は、「年越し派遣村を繰り返
さない」と、ワンストップ・サービスの構築に乗り出しました。
こうしたもとで、昨年の「年越し派遣村」に結集した実行委員
やボランティアを中心とした私たち有志は、「年越し派遣村が
必要ないワンストップ・サービスをつくる会」(略称「ワンス
トップの会」。)を2009年11月に結成し、活動をすすめてきま
した。

(2) 政府と東京都の「年末年始・生活総合相談」事業(以
下、「公設派遣村」という。)は、①年末年始にふたたび特別
対策が必要になったことは、派遣切りや解雇等で仕事や住まい
を失った人々への日常的な支援の遅れを示すものではあります
が、②公的機関(政府や自治体)が屋根と食事を提供し、生活
再建の場を確保したことは大きな前進だといえます。しかし、
③その内容についていえば、「生活総合相談」と銘打ったにも
かかわらず、相談態勢が極めて弱かったことをはじめ、後述
するとおり、いくつかの問題点を抱えています。④総括をきち
んとおこない、今後の恒久的なセーフティネット構築に活かし
ていくべきと考えるものです。

(3) 「公設派遣村」は当初、①500名という人数制限や、②
12月30日終了で12月31日以降の対策がなかったこと、③「求職
中の生活困窮者」という要件が場合によっては大量の受け入れ
拒否を招きかねないものだったことなどから、私たちは東京都
と折衝し、いくつかの要件緩和を実現しました。その到達点を
受け、私たちは①宣伝を徹底しておこない、「公設派遣村」に
多くの人々をつなげていくこと、②利用者とつながり、生活再
建の情報を提供・支援していくことを目的に、「つなぐ・つな
がる総行動」と銘打って、年末年始以降の活動をすすめてきま
した。現時点で振りかえれば、この方針は正しかったし、利用
者の生活再建に大きな役割を果たすことができたと評価するも
のです。

2.私たちの宣伝で、「公設派遣村」の利用者は900名を超える
(1) 東京都が「政府の特別対策の一環」という消極的な姿
勢を変えないなかで、ハローワークで受付票をもらい、実際の
受付はハイジアでおこなわれるという変則的な形態となったた
め、大久保公園に出現した私たちの「年越し大相談会」は中間
地点として、「ハローワーク→大久保公園→ハイジア」という
大きな流れがつくりだされました。大久保公園で相談・学習し
た利用者が「ノイエ本」(正式名称:「路上からできる生活保
護申請ガイド」、発行:ホームレス総合相談ネットワーク)を
持って次々と「公設派遣村」に入っていったのです。

(2) 私たちは新宿をはじめとした主要駅頭や繁華街、ネット
カフェや公園などで1万枚を超える宣伝チラシを配布し、「公設
派遣村」の利用を呼びかけました。この活動が900名を超える利
用者につながったと確信しています。ビラ配布や誘導などには、
チラシをみて駆けつけた若者を含め多くのボランティアが協力し
てくださいました。そうした草の根の力によって、今年の活動も
支えられたと感謝しています。

(3) 昨年と比較すればマスコミの取り上げ方も小さく、政府
や東京都が街頭宣伝等をおこなわなかったなかでも、900名を超え
る利用者があったことは、東京の主要駅頭が毎晩、「派遣村」的
な様相となっていることに示されるように、一昨年秋以来の雇用
破壊がいっそう深刻化している現実の一端を物語るものです。宣
伝が行き渡れば、数倍の利用者があっても不思議ではない厳しい
状況がひろがっているのです。

3.実数650名近い相談を受け、生活再建の方途決定を支援
(1) 私たちワンストップの会が実施した相談活動には、オリ
ンピックセンターを出た1月4日午前までに実数で550名強、今日
までに約650名の利用者が相談しています。900名超の利用者のう
ち、東京都の運営のまずさや年明けの臨時的仕事の関係から大田
区の宿泊施設に移動・宿泊しなかった約270名(うち100名超がワ
ンストップの会の相談利用者)を除くと、85%程度が私たちワン
ストップの会の相談に頼ったことは重要な到達点です。

(2) 私たちは当初から、「公設派遣村」への協力を東京都に
申し出ました。しかし、東京都は受け入れず、年末の大久保公園
の大相談会に続いて、1月1~4日にはオリンピックセンター前に
バスを配車し、移動バスでの学習・相談活動という変則的な対応
を取らざるを得ませんでした。ところが、東京都の運営のまずさ
への怒りが高まるなかで、1月4日午前になってオリンピックセン
ター内への立ち入りが認められ、3回に分けた利用者集会では「生
活再建のために、耐えて移動しよう」という呼びかけをおこない
ました。その後は様々な制限を受けながらも、大田区の宿泊施設
内で相談活動を積極的に実施しました。相談員の人数や時間の制
限から近隣ホテルの会議室での相談活動もおこないました。こう
したなかで、「ワンストップの会の援助があったから、私たちは
生活保護を受給するなど、生活再建のメドがついた」と、多くの
「公設派遣村」利用者から感謝の声が寄せられています。普段か
らこうした相談活動にかかわっている法律家や労組、市民団体役
員などが結集して、生活・労働相談に止まらず、女性や医療、障
害など各種相談体制を敷くなかで、利用者の生活再建の総合的な
支援に大きな役割を発揮できたと感じています。

(3) 一方、東京都の活動についていえば、「生活総合相談」
と銘打ったにもかかわらず、その内容は不十分だったといわざる
を得ません。「都の相談では、経歴などを聞かれたが、具体的な
生活再建策の指導は何もなかった」とか、「私の意思を無視して
、住宅手当へ誘導しよう、誘導しようという相談だった」などの
感想が寄せられています。相談体制の弱さに加え、①タテ割り行
政のもとで総合的な指導権限をもった相談員の制度的欠如、②
「第2のセーフティネット」の不十分さのもとでの生活再建策の
中途半端さという問題点を浮き彫りにするものです。東京都は「
政府の緊急対策の一環」という消極的姿勢を変えませんでしたが
、「屋根と食事は用意したから、あとはがんばれ」式の対応だっ
たといわざるを得ないことは残念の極みです。

4.生活保護の申請者は500名超、使い勝手の悪い第2のセーフティ
ネット
(1) 生活保護の申請は500名を超え、今回も生活再建の方途
として生活保護制度が大きな比重を占めました。これは、「第2
のセーフティネット」の不十分さを物語るものであり、その早急
な改善が求められます。例えば、①東京都における住宅手当と総
合支援資金に関していえば、窓口がいくつにも分かれることもあ
り※、日常的には、最初の申請時につなぎ資金10万円を借りても、
住宅手当支給決定と総合支援資金住宅入居費(敷金・礼金等)の
融資が1ヶ月後、総合支援資金生活支援費の貸し付けがさらにその
1ヶ月後という運営が一般的です。そのため、迅速な手続きを強
く求めましたが、それでも途中で生活保護に切り替える事例が続
出しました。また、②そもそも仕事だけでなく、住居まで喪失し
た(またはそのおそれのある)人々への支援にもかかわらず、貸
付が大きな比重を占める制度となっていることから、雇用情勢が
厳しいもとでは利用そのものに二の足を踏まざるを得ないのが実
態です。政府と東京都は今回の状況を教訓に、「第2のセーフティ
ネット」の制度と運用を抜本的に見直し、給付制を基本とした恒
久的な求職者支援制度を早急に構築すべきです。また、融資制度
についてはその要件を大幅に緩和し、たとえばローン返済中であ
ってもマイホームを手放すことなく生活再建が可能となる低利(
無利子)融資制度の創設など、使い勝手の良いものとすべきです。

(2) ワンストップの会では、年末の大久保公園の大相談会の
時から、申請書の提出を呼びかけ、毎晩ファックス申請し、その
大半を渋谷区に提出しました。これに対して、さまざまな意見が
寄せられています。しかし、現在地保護という法の原則に基づけ
ば、オリンピックセンターに宿泊する現実を踏まえた当然の措置
です。ただし、年明けの迅速な事務処理の関係から、東京都の要
請を受けて、私たちは利用者の合意を前提に、実際の手続きを各
市区に分散させることに同意しました。私たちは同意に際して、
各自治体でまちまちの対応にならないよう、東京都に統一的な対
応を求めましたが、①一部自治体でアパート入居を制限するなど
の不適切な対応があり、対策に追われたことは残念です。②そも
そも生活保護制度の実施主体は市区であるとはいえ、支給する額
や範囲に違いがあることは大きな問題であり、運用の統一が求め
られます。③また、ワンストップの会の相談を通した申請が比較
的スムーズにすすんでいる横で、一般の希望者の申請を制限して
いる福祉事務所がみられたことは重大な問題です。政府と東京都
は、今日の雇用破壊と不況の実態を踏まえて、最後のセーフティ
ネットとしての生活保護制度の適切な運用と、そのための財政措
置と人員配置を早急に改善すべきです。

5.東京都の運営の二重のまずさ
(1) 「公設派遣村」を利用した900名超のうち、100名超が年
明けに派遣などの臨時的仕事がはいり出ていったほか、150名超
(どちらも推計だが、数の上では計270名程度が出ていったこと
は確か。)が東京都の対応のまずさから出ていったことが残念で
なりません。

(2) オリンピックセンターの運営などをみていると、住まい
まで失い、やっとたどり着いた利用者に対する温かみに欠ける対
応が色濃くありました。また、連絡体制も不十分で、次の予定が
一向にアナウンスされないとか、利用者各自の担当がどの自治体
になったかということが当人に伝わらないというような事態が最
後まで続きました。「やっとたどり着いたのに、また路上に放り
出されるのか」という焦りと怒りが「公設派遣村」から150名余
りが出ていく原因となったのであり、東京都は真剣な総括をして
今後に生かすべきです。なお、東京都が直接運営するのではなく
、外郭団体に「丸投げ」したことも対応の不十分さの一因です。
また、東京都が用意した不動産業者が高額物件を案内し、保護基
準額を上回る家賃分を共益費に上積みするなどの不適切な事例も
見られました。

(3) 今回の事業は「生活総合相談」と銘打って実施されまし
たが、相談活動の実際は極めて不十分なものでした。利用者の状
況の聞き取りが大半で、各種制度の説明も不十分でした。当事者
の意向や生活再建の方途を把握できていなかったことは重大な問
題です。また、オリンピックセンターでは、東京都の要請によっ
て労働行政職員が派遣されていながら、大田区の施設に移る段階
では、東京都は東京労働局に派遣要請を行いませんでした。生活
保護の見通しが立ち、アパートが見つかり生活再建がすすむ段階
こそ、今後の再就職に関する支援が必要であったと考えます。こ
うしたタテ割り行政の問題点とともに、東京都の意向や判断が基
礎自治体である市区町村に伝わらない「ヨコ割り行政」の弊害も
多々見受けられました。今後のワンストップ・サービス構築の上
で、総合相談機能の確立は決定的に重要であり、体制改善を早急
におこなうべきです。利用者の大半は私たちワンストップの会の
相談活動を通して、生活再建の方途を決定したというのが実態で
あり、「つながる」活動の重要な成果といえます。政府や自治体
は体制整備と同時に、こうした支援活動に日常的に関わっている
民間団体や法律家の積極的な活用をおこなうという観点も必要で
す。

6.虚偽情報の流布と自己責任論の克服の必要性
(1) 「公設派遣村」に関して、「無断外泊200名」とか「2万
円を持って逃亡」、飲酒事件など、利用者の不祥事に関する誇張
もしくは誤った情報が広範に流布されたことは重大な問題です。
一部の心ない利用者が飲酒などで貴重な生活費を費消したことは
問題ですが、それを誇張して伝え、生活再建に真剣に努力する大
多数の利用者の心を深く傷つけるとともに、アパート契約がダメ
になるなどの被害もありました。正しい情報の発信を怠り、誤り
を是正できなかった東京都の責任は極めて重大といわざるを得ま
せん。中には、見出しに「?」マークをつけるとか、今回の「公
設派遣村」とは関係のない昨年の「年越し派遣村」の写真を掲載
して無関係の脚注をつけるなどの報道もありました。マスコミ各
社には事実を正確に取材した冷静な報道を求めるものです。

(2) 今回誤った報道が続いたのは、宿泊施設における東京都
の管理体制の不備が大きな原因です。「無断外泊200名」との報
道についていえば、東京都は「その数字のもとは朝食と夕食を食
べた人数の差ではないか」と言っていました。宿泊施設が辺鄙な
ところにあり、夕食時間が17時半であることから帰れず、食べら
れなかった人が続出したことが、無断外泊と伝えられたというの
が真相のようです。実際に利用者らに聞くと、「夜にはほとんど
の布団が埋まっている」というのが実態でした。また、福祉事務
所で「2日ぐらいでアパートを探すように」と言われ、遅くまで
探し回ったため帰ることができなくなったが、連絡先がわからな
かったなどの報告も寄せられています。大田区の施設は、施設の
性格から電話番号が公表されておらず、連絡できなかった人が続
出しました。私たちの指摘に東京都もあわてて施設内に東京都本
部の携帯電話を設置しましたが、その番号の周知徹底も最後まで
おろそかでした。

(3) こうした誤った報道がひろがった背景には、弱肉強食の
新自由主義に基づく「自己責任」論の影響が否定できません。し
かし、「公設派遣村」にたどり着いた利用者についていえば、ま
じめに働いてきたにもかかわらず、派遣切りや解雇等にあい、長
引く不況の中で失業状態が続き、制度的な支援もなくついには住
まいを失った人々であり、「自己責任」で片づけるわけにはいか
ない政治的な問題です。昨年の「年越し派遣村」と比較して、今
回は20代の利用者が大幅に増えましたが、それも不況の長期化と
雇用破壊の反映です。今や若者も、雇用破壊のもとで職にありつ
けない状況がひろがっています。また、生活再建の早さも昨年の
年越し派遣村と比較した際の大きな特徴です。1ヵ月前にはホーム
レス状態にあった人が、今ではアパートに住み仕事に就いている
ケースも少なからず見受けられます。これは、強い働く意志と高
い能力を持っていても、何かのきっかけでホームレス状態に陥ら
ざるを得ない現代社会を反映したものであり、「求職者支援」と
「ホームレス支援」を区分する行政の姿勢が誤りであることを鋭
く示しています。私たちは今後、彼ら・彼女らの実相をまとめて
いく予定ですが、セーフティネットの構築とともに、何より大企
業の社会的責任を明確にし、雇用責任を果たさせ雇用破壊に歯止
めをかけること、そして仕事づくりの国民的大運動が求められて
います。

(4) なお、今回の施設環境にはさまざまな問題がありました。
大田区の宿泊施設において、IDカードに加えて「荷札」が識別に
使われたことは、人間味にかける東京都の運営の象徴といえます。
ワンストップの会が指摘するまで貴重品を管理するロッカーが置
かれず、ようやく設置されたロッカーの鍵は、入浴中手首に撒い
ておけるような工夫は一切されておらず、安全対策の不十分さも
指摘できます。特に、医療体制の不備は深刻な問題でした。雑魚
寝の集団生活にもかかわらず、健康チェックがなかったこと、急
な高熱等で腕医療機関を受診したくても、なかなか救急車を呼ん
でもらえなかったなど問題が続きました。また、女性や障害者、
病弱者については後半から別施設での対応がひろがりましたが、
大田区の宿泊施設にも劣る支援体制、半ば放置の状況が続くなど
問題でした。こうした点についても十分に総括をおこない、今後
に活かすべきです。

7.真のワンストップ・サービスの構築に向けて
(1) 今回の「公設派遣村」でもう一つ教訓とすべきことは、
年末年始対策の限界です。本年末こそはイベント的な年末年始の
特別対策が必要ないよう、制度の改善と日常的な体制の整備が不
可欠といえます。政府と東京都は、今回の教訓を活かして改善を
すすめ、日常的なワンストップ・サービスの構築をおこなうべき
です。

(2) 今回の公設派遣村の利用者はまだ生活再建の途上ですが、
私たちワンストップの会は引き続き支援を強めるとともに、各団
体・個人の共同をいっそう強化して、真のセーフティネットとワ
ンストップ・サービスの実現のために努力していくものです。

                                  以 上




年末年始の生活総合相談にかかる緊急要望

2010-01-12 12:23:16 | 日記
東京都知事                石原 慎太郎 殿

年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会
代表 宇都宮 健児(弁護士)、略称:ワンストップの会 
TEL:080-3432-9023  Email:hakenmura@mail.goo.ne.jp

貴職の日頃からのご活躍に経緯を表します。

 私たちは、昨年の年越し派遣村の実行委員やボランティアなど
有志があつまり、「年越し派遣村が必要のない」施策をつくる
ために結成された会です。私たちは国の政策を受けて東京都が実施
された「生活総合相談」を成功させるために宣伝活動や相談活動
などのサポートをおこなってきました。特に1月4日以降は施設内に
立ち入ることを許可いただきながら、総合相談活動など今回の
とりくみを成功させるべく、全力を尽くしてまいりました。

 数日前から、「無断外泊200名」など事実無根の報道が相次ぎ、
貴職は1月18日をもって「生活総合相談」事業を終了する旨、明言
されています。残念ながら、ごく一部の利用者が飲酒等の問題行為
をおこなったことは事実であり、私どもも非常に残念に思っています。
しかし、大多数の利用者は一刻も早く生活再編に踏み出そうと懸命
の努力を続けています。多くの利用者が今週に生活保護費の支給が
認められる方向であり、現在は住まい探しの佳境です。そうした
最中に「生活総合相談」を終了し、宿泊施設を閉じられることは
止めるべきです。
 
 「無断外泊200名」と言われていますが、実際の外泊者数は40数名
であり、それも東京都の連絡体制の不備から、当初は外泊の届け出先
や急きょ設置された宿泊施設の東京都本部の電話番号を知らない人が
大多数で、外泊者の大半は転出予定地でネットカフェ等の安価な施設
に泊まり、アパート探しなどに走り回っていた人たちです。東京都が
マスコミの誤った報道を直ちに否定せず、放置されていることに、
私たちは大きな疑念を抱いており、早急な改善を求めるものです。
 
 また、現在の宿泊施設は畳の大部屋に雑魚寝にも関わらず、医療体制
が貧弱であることを強く憂慮しています。利用者の多くは、経済的理由
から医療機関の受診が中断していた人々であり、慢性疾患の悪化や
伝染性の疾病の罹患も懸念され、住まいを失うという状況のもとで、
肉体的にも精神的にも追い詰められており、いっせい健康チェックの
実施など、早急な対策が必要です。

 私たちは、国と東京都が協力して、年末年始に派遣切り等で仕事と
住まいを失った労働者に宿泊施設を提供したことは大きな前進だと受け
止め、今も施設内で相談活動を担っているわけですが、せっかくたどり
着き努力している彼ら・彼女らに生活再建の道を閉ざすことなく、支援
の継続・改善を求めて、下記のとおり緊急要望を提出いたします。
なお、1月18日という期限が迫っているもとで、1月13日中にご回答いた
だくよう求めるものです。

                 記

1.「無断外泊200名」「2万円持ち逃げ」など、誤った報道、利用者
  パッシングをただすため、東京都として直ちに記者発表をおこない、
  正確な数字や都としての管理・運営体制の不備などの問題点、経過
  を明らかにすること。

2.努力している利用者の生活再建の道を1月18日以降も閉ざさないこと。
  そのため、区市や国とも相談して、宿舎確保のめどが立っていない
  利用者を対象に、もっと交通の便のよい地に臨時的な宿泊施設を確保
  し、各種手続きやアパート探しや就労活動の時間的余裕を確保すること。

3.全員の先行きのメドを建てるため、ワンストップの会の持つ相談
  情報と貴職の名簿を突き合わせ、具体的な個別支援・アドバイスを
  協力して実施すること。

4.生活保護の手続きについては、昨年12月25日の厚労省通知「失業等
  により生活に困窮する方々への支援の留意事項について」の趣旨を
  いっそう徹底し、面談等が遅れている一部福祉事務所への指導を強め、
  1月18日という日付を意識した迅速な支給を実現すること。
  また、派遣切りや解雇等によって住まいを失った経過にかんがみ、
  居宅保護を原則として、本人同意のない施設への誘導を止めるよう
  指導を徹底すること。

5.他の制度に関しても、1月18日を意識した迅速な手続きを関係実施機関
  に徹底すること。例えば、住宅手当+総合支援資金で実際に敷金等が
  入金され住まいに入居できる時期が2月初旬もしくは中旬以降になる
  事例などについて、即刻是正措置を取ること。

6.女性や夫婦、病弱者等、大田区の宿泊施設以外に置かれている利用者
  については、東京都による情報提供や支援がいっそう遅れている実態
  にかんがみ、1月18日以降も当分の間、施設提供を継続し、支援の強化
  をはかること。女性については、特に精神的ケアを含めた支援を強化
  すること。

7.現行の宿泊施設における医療・健康問題については、集団生活における
  感染の拡大を防止するとともに、医療中断からの健康悪化がすすんで
  いる状況にかんがみ、早急に全員の健康チェックをおこない、必要な
  医療を提供すること。当人から申し出があった場合には、不当な制限を
  かけることなく、迅速に医療機関に搬送すること。障害等のある利用者
  については、障害ニーズに応じた適切な障害者福祉につなげること。
  また、バリアフリーや個室対応等適切なシェルターを確保するとともに、
  居宅生活へつなぐこと。 (詳細別紙)

8.短期間で十分な宣伝もない中で833名もの人が今回の「生活総合相談」を
  利用した事態にかんがみ、今回の実施状況を振りかえって、恒久的な
  ワンストップ体制の構築や第2のセーフティネットの改善など、制度改善
  を政府に求めていくこと。

                                  以 上

【別紙】

疾病・障害をもつ人のワンストップでの対応における改善申し入れ
                  
                   患者・障害者対応担当 山本

1.急迫状態にある人の相談がありえることをワンストップでも共有し、
  きちんと対応すること。はじめから患者や障害者を排除した相談体制
  を改善すること。
  1)窮迫状況にある方は生活保護申請を速やかに進めること。
  2)医療受診を希望する人を速やかに医療機関に繋げること。
  3)適切に障害者福祉制度等の福祉制度の紹介、繋ぎまで行うこと。
  (視覚障害の方のガイドヘルプ、介助体制、障害加算、障害年金、
   地域の自助グループ、相談先等)

2.医療機関受診、入院対応について
  1)症状が悪化している場合等で移動(病院、福祉事務所、宿泊施設
   間等)が困難な場合、タクシーや救急車対応等の利用が可能である
   ことを適切にインフォメーションすること。くれぐれも阻害するよう
   な行為をしないこと。
  2)体調が安定しない人の入院期間を、生活保護受給者であること等
   を理由に不当に制限し、追い出さないこと。医療機関にも周知徹底
   すること。又、退院後の宿泊施設の確保等丁寧に対応すること。
  3)退院後、安静が必要な患者をネットカフェ等、安静療養ができない
   宿泊施設に誘導して症状を悪化させることがないようにすること。
   安静療養できる宿泊所を提供すること。

3.集団生活が難しい人やバリアフリーの宿泊施設の確保
  1)メンタル症状や、女性の対応、性障害等から集団生活が難しい方
   の個別対応ができる緊急宿泊設備(個室対応を含め)を整備すること。
  2)車椅子の方等のバリアフリー対応した緊急宿泊を整備すること。

4.なぎさ寮で続いている不適切な対応の改善を求める。改善計画を期日を
  決めて提出すること。
  1)入所している人の健康管理を、定期的に各部屋にまわって声かけ
   確認すること。医療受診希望がでた場合には速やかに医療機関に
   つなぐこと。
  2)体調が悪いと訴えた、受診した方を後日経過を追って声かけ確認
   すること。
  3)医療機関への紹介が十分でないまま、亡くなられた方がいる。
   相談対応の経緯、原因究明の結果を公表し、2度と再発させないこと。
  4)亡くなられた方がでた後も、緊急で医療が必要な人が救急車を呼ぶ
   ことを阻害した職員がいる。改善対応を明らかにすること。
  5)「救急車を呼んだ責任を誰が取るのか」と救急車をよぶことを妨げ
   る、救急隊員から求められた救急車の同伴を断り「救急車を呼んだの
   で責任をとれ」と相談者の胸を小突く等の対応した職員がいる。
   名前を明らかにし、2度と繰り返させないように、謝罪させること。

5.メンタル的要因や病気、障害特性等により18日以降の行く先がなかなか
  決まらない人もいる。すべての人を途中で路上に放り出すようなことが
  ないように公的保護責任を果たすこと。

                                以上

『つなぐ・つながる総行動』ボランティアにお越し頂いたみなさまへ

2009-12-30 21:22:13 | 日記
年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会では、
『つなぐ・つながる総行動』と題し、29日から新宿区歌舞伎町にある
大久保公園で相談会を行っています。

今日までに約220名のボランティアの方々に新宿・渋谷等での広報活動
にご協力を頂き、感謝しております。

相談会は31日まで実施しますが、1月1日以降は形態を変えて相談活動
を展開し、宣伝は行わないことになりました。
1日以降、ボランティアでの参加をご検討いただいた方には申しわけ
ございません。
3日までは、お近くで宿泊施設の活用が必要な方がおられれば、0120-
874-505にお電話頂くよう、ご案内頂ければと思います。

また、明日(31日)は、本日と同様の取り組みを行いますので、
ご協力頂ければ幸いです。

年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会
梶屋 大輔

ワンストップ・サービスをつくる会より呼びかけ

2009-12-29 20:48:11 | 日記
◆年末年始行動ボランティア募集◆

年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会
(旧派遣村実行委員ほか)は「東京都における年末年始の生活
総合相談」の宣伝をお手伝いくださるボランティアを募集します。
ご参加いただける方は、下記のとおりお集まりください。

日時・場所:2009年12月29日~31日 連日9時、または12時、15時
に大久保公園集合(歌舞伎町2丁目)1月1日以降の行動は未定

*30日については、17時集合で夜回りを行う予定でおりますので
 お越しいただければ幸いです。

行動内容:①総合相談、②申請同行・支援、③各所で呼び込み
宣伝、④宿泊者支援、スムーズな受け入れの流れをつくるのが
目的です。

※今回の年越し派遣村が必要ないワンストップ・サービスをつくる会
 の取り組みは衣・食・住の提供は行いません。
 お米や衣類等の提供を申し出て頂いておりますが、お断りをして
 おります。

「東京都における年末年始の生活総合相談」とは?
概要:東京都は「住居・生活に困っている者」に対して、12月28日
(月)午後~1月4日(月)朝までの間、生活総合相談と宿泊場所、
食事の提供を行う。
利用資格:求職中で住居がなく都内に生活実態がありハローワーク
カードを持っていて28日までにフリーダイヤルで予約した方、そして
「電話で指定された日時・場所で受付してください」とのことです。

「生活総合相談」の詳細はPDFでご確認ください。厚生労働省の
サイトに掲載されています。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000003foq-att/2r98520000003fqh.pdf

開けない方は「反貧困でつながろう」に掲載しましたのでこちらをどうぞ。
http://d.hatena.ne.jp/hanhinkon/20091228/1261633481

手続きの煩雑な「生活総合相談」ですが、それ以上に心配なのは、
本当に必要としている方にこの情報が伝わっていないのではないか
ということです。
主要駅、繁華街などでビラまき行動をします。多くの方のご協力が
必要です。
年の瀬のお忙しい時期かとは思いますが、1日でも半日でも結構です
ので、わたしたちの宣伝活動にぜひご参加ください。

年越し派遣村が必要ないワンストップサービスをつくる会
TEL:080-3432-9023 MAIL:hakenmura@mail.goo.ne.jp


8月18日舛添厚労大臣発言に対する抗議文

2009-08-25 12:56:57 | 日記
8月24日に発表した舛添厚労大臣に対する抗議文です。

                  抗 議 文
  
                        元派遣村名誉村長 弁護士 宇都宮健児
                            元派遣村実行委員会有志一同
                        〒104-0061 東京都中央区銀座6-12-15
                         COI銀座612 7階 東京市民法律事務所
                       TEL:03-3571-6051 FAX:03-3571-9379

厚生労働大臣 舛添 要一 殿

私たちは、年末年始、日比谷公園にて派遣村を企画した実行委員会の有志です。
 貴殿は、8月18日、横浜市内の街頭演説で、年越し派遣村の取り組みについて
言及し、「4000人分の求人票を持っていったが一人も手を上げなかった。大事な
税金を働く能力があるのに怠けている連中に払う気はない」と発言しました。
私たちは、この発言は、事実誤認により生じる偏見、もしくは、事実を捻じ曲
げた中傷であり、命からがら派遣村を訪れ、今もなお厳しい雇用情勢の中で生活
の再建を目指して努力している方々への侮辱であると考えます。自立を目指し、
切実な思いで求職活動をしながら、何件も何十件も断られ、それでも求職活動を
続けているのに、よりによって厚生労働大臣という立場にある人からこんなこと
を言われたら、どういう気持ちになるか。村民一人一人の心情を考えてください。
派遣村は、厚生行政と労働行政の双方に対し、重たい提起を投げかけた取り組
みでした。しかし、貴殿は目の前の現場に、一度も足を踏み入れなかった。そう
した方が、事実を捻じ曲げた言動を繰り返していることを、私たちは黙認するこ
とはできません。上記の発言を撤回し、文書による謝罪を求めます。
 また、派遣村に持ち込まれた求人票に関する事実、及び私たちの見解を以下に
記しますので、ご一読ください。

1)「一人も応募しなかった」というのは、1月5日の4施設入所初日のことである
 1月6日にも、派遣村実行委員会に対して、大村厚労副大臣から同様のクレーム
を受けました。しかし、1月5日は日比谷公園撤収作業後、国会への請願行動や議
員申入れなどをしており、都内4施設に入所したのは午後4時ごろでした。東京都
職員から施設の決まりごとなどの説明を受けるとすでに5時になり、ハローワーク
の出張窓口が閉まりました。初日の応募がなかったのは、こうした理由によるも
のです。
 また、このことは、大村氏にはその場で説明し、誤解を解いていますし、貴殿
もその報告を受けているはずです。6日からは朝から相談が始まっていましたし、
今ごろになって言い出すのは「為にする」議論です。

2)「手を上げなかった」というのは誤り
 1月18日の時点で、求職者登録をした村民は百数十名に上っており、4施設に滞
在していた村民の半数に上りました。
 4000件の求人中から応募し、旅館の住み込みや清掃、警備、タクシー会社など
に就職し、派遣村を去った方もおります。

3)4000件の求人には実態のないものも多かった
 応募をした村民は、ほとんど断られてしまっています。応募した会社から返っ
てきた返事は、「もう決まっちゃいました」「実は募集していないんです」「ハ
ローワークから求人を出すよう言われて、ホントは募集してないんだけどお付き
合いで求人を出しているだけなんです」といったものでした。こうした実情を、
大臣は御存じでしょうか。

4)寮付き求人へのトラウマ
 当初の応募が少なかった背景には、派遣村に持ち込まれた求人の多くが、「住
み込み」など寮付きの求人だったことにも原因があります。
 派遣切りは、雇用契約の解除と同時に、住まいを追われるという過酷な首切り
体験でした。寒空に放り出された彼・彼女らは「二度と同じような目に遭いたく
ない」という思いをもっています。今度こそは、自分の住居を確保して、職場に
通いたい、だから住み込み求人への、応募には躊躇する、というのは心情として
も理解できることではないでしょうか。

5)求職活動どころではなかった
 年越し派遣村では、心身の不調を訴える人や、今日の食費もない極限状態に追
い込まれた人が多く、生活保護を受給し、その日の生活費を確保することが最優
先の課題でした。 
 実際、緊急小口貸付資金の特例交付が始まる1月7日夕方までは、ほとんどの人
が無一文の状態であり、求職活動のための面接交通費などを持っていなかったの
が実情です。
 また、既に、大半の方が派遣切り後に、ハローワークや様々なところに相談に
行ったり、必死の思いで職探しをおこなって来られていました。その結果、有り
金も底をつき、どうしようもなくなって派遣村にたどりつかれています。心身共
に疲弊した状態では求職活動を満足に行うことはできません。

6)誰でも年収1000万以上稼げる求人があったらください
 上記の発言のあった翌19日も、貴殿は「求人は、すべて寮付住み込みで、年収
1000万以上稼げるものだった」などと発言されたと聞いています。耳を疑いまし
た。そんな求人があったという話は実行委員会では聞いていません。
 また、もしあったとしても、ある種の専門性が問われる職務である可能性が高
く、派遣切りされたり、数年間の野宿経験をしてきた失業者が就ける仕事でしょ
うか。ミスマッチが大きすぎたとしか考えられません。そのことを、求職者が怠
けているといった文脈にすり替えないでください。

7)政策の実施と言っていることが違います
 政府が21年度補正で「第二のセーフティネット」を構築したのは、昨年秋から
の派遣切りで派遣村村民も含め、職も住居も失う労働者が大量に出たにもかかわ
らず、セーフティネットが機能していないというその反省の上に立ってのことだ
と思います。
 派遣村の村民は、多くの失業者と同様に求人活動をし、同様に就職できていま
せんが、これらの人たちに対する「第二のセーフティネット」が無駄だというの
でしょうか。そうであれば、政策決定者自ら「第二のセーフティネットなど不要
だ」と言っているのと同じです。閣僚としての自らの行為に矛盾する発言であり、
その社会的責任は重大であると考えます。
                                              以上

派遣村パンフレット(外国語版)のご案内

2009-06-20 00:41:39 | 日記

派遣村実行委員会では、年度末に再び断行された「派遣切り」に対抗
すべく、切られる前、切られた後に何とか行きぬくための最低限の知
恵と、仲間と繋がるための連絡先が記されたパンフレットを発行して
まいりました。

各地のご要望により、現在、遅まきながら外国語版の制作に取り組ん
でおります。
言語は、英語・韓国語・中国語・ポルトガル語・スペイン語です。

ご注文を頂いた上で印刷を行い、発送いたします。
ご希望の方は、6月30日(火)までに必要言語・それぞれの必要部
数・送り先・氏名・電話番号を下記連絡先までお伝えください。
送料を含め、無料で発行しておりますので、ご遠慮なくお申込みくだ
さい。

なお、日本語版の注文も6月30日(火)までとさせていただきます
ので、上記要領にてお申込みください。

※7月1日以降にお申込みいただきましても対応致しかねますので
 ご了承ください。

派遣村実行委員会事務局
TEL:080-4123-7027
MAIL:hakenmura@mail.goo.ne.jp
FAX:03-6458-3670

********************
『あたたかな春を迎えるためのマニュアル』
********************
A4版、24ページ
< も く じ >
まえがき(村長:湯浅誠)
◎解雇・雇い止めを通告されたときに
【1】とにかく認めない、認めても撤回する
【2】契約満了、更新しない「雇い止め」でもあきらめない
【3】解雇通知などに同意のサインをしていたら、無効を通知する
【4】有給休暇は遠慮なく消化する
◎住まいを追い出されそうなとき、追い出されてしまったときに
【5】居住権があります。出て行く必要はありません。
【6】こうやって寮や社宅に住み続けよう
【7】もしすでに寮を追い出されてしまっていたら・・・
◎労働組合に相談しよう
【8】労働組合でできること
【9】スタッフのサポートを受けながら会社と交渉する
◎困ったときにはセーフティネット
【10】雇用保険の失業給付
【11】「就職安定資金融資」事業
【12】生活に困ったときの生活保護制度
◎女性たちへ ? もしあなたがこんなことに困っていたら
<資料編>(生活保護関連資料など)
<各種支援団体の連絡先>(労働組合、生活保護支援団体など)

派遣村全国シンポジウム「派遣村から見えてきたもの」を開催します!

2009-06-18 12:51:18 | 日記
○転載大歓迎です。

*――――*―――*――*―*――*―*――*―――*――――*
                「派遣村」全国シンポジウム
               「派遣村から見えてきたもの」
     -今こそ労働者派遣法の抜本改正とセーフティネットの構築を-
――――――――――――――――――――――――――――――――

 東京・日比谷公園で行われた「年越し派遣村」が示したのは“生存す
ら危うくなった労働者”の姿でした。それは、家族と一緒におせち料理
を食べるという牧歌的・伝統的な日本の正月イメージに、日本社会はこ
こまで来てしまっているという現実を対置しました。
 
 その後、全国津々浦々で同様の取組みが行われ、“生存すら危うくな
った労働者”は、もはやあらゆる地域・学校・職場に、私たちのすぐ隣
にいることを明らかにしました。
 
 都市部の労働者の背景には、地方の貧困がある。ワーキング・プアの
前後には、貧困状態で暮らす子どもや高齢者がいる。それもまた、覆い
隠しようのないことになっています。
 
 目を背け続けることは、もう限界です。ごまかそうとする人たちには、
もうガマンできません。私たちは、この社会の一員として、この社会の
衰退と先細りを、これ以上黙って見過ごすことはできない。
 
 各地の派遣村的な取り組みの中から、この社会を立て直すためのどの
ような課題が見えてきたのか、全国各地の取り組みを踏まえて、考えて
みたいと思います。

【日 時】 2009年6月28日(日)13:30~17:00

【主 催】 派遣村全国シンポジウム実行委員会

【会 場】 浅草「すみだリバーサイドホール」
     東京都墨田区吾妻橋1-23-20 電話03-5608-6430
     交通 = 営団地下鉄銀座線・浅草駅、都営地下鉄浅草線・
     本所吾妻橋駅、東武伊勢崎線・浅草駅より、徒歩5分程度
     
【タイムスケジュール】
13:30~ 主催者あいさつ 
        小久保哲郎(大阪・弁護士)

13:40~ 派遣村からの提言「派遣村的活動の到達点と改革試案」
        湯浅誠(東京派遣村・村長)

14:10~ 各政党、諸団体からのあいさつ 

14:35~ 休憩

14:50~ 各地からの報告

15:50~ シンポジウム
       コーディネーター 新里宏二(宮城・弁護士)
       パネラー 藤田孝典(埼玉・NPO法人ほっとポット)
              関根秀一郎(東京派遣村・派遣ユニオン)
              森 弘典(愛知・弁護士)

16:50~ 閉会あいさつ
        笹田参三(岐阜・弁護士)
        
17:00  終了予定


――――お問い合わせ・ご連絡―――――――
派遣村全国シンポジウム実行委員会  
電話 080-4123-7027
メールアドレス hakenmura@mail.goo.ne.jp
―――――――――――――――――――――


増補版「春の派遣村アクション」パンフレットのご案内

2009-04-28 11:24:47 | 日記
 私たちは日比谷公園に集結した失業者と共に「年越し派遣村」を開設
した派遣村実行委員会です。私たちは、年度末に再び断行された「派遣
切り」に対抗すべく、「切るな! 切らせるな! 春の派遣村アクション」
を起こしました。
 その一環として孤立した現場の人たちを繋ぐべく作成されたのがパンフ
レット「あたたかな春を迎えるためのマニュアル」です。このパンフレット
には切られる前、切られた後に何とか行きぬくための最低限の知恵と、
仲間と繋がるための連絡先が書かれています。
 各地の心あるみなさんのご協力のおかげで、3月に緊急に刷った8,000冊
を全て配布し切りました。
 しかし、まだまだ厳しい状況が続いています。各地では未曾有の状況に
対抗しようと「派遣村」の取り組みも続いています。そして未だ孤立し続け
ている失業者たちがいます。
 そこで私たちはこのパンフレットの改訂版を作り、1万冊を印刷しました。
全国のみなさん、パンフレットの配布にご協力ください。
 冊子代・送料には、「年越し派遣村」に集められた皆さんのあたたかい
カンパを再び活用させていただきました。冊子をご希望の方は、希望冊数と
送り先を明記の上、メール又はファックスで派遣村実行委員会までご連絡
ください。よろしくお願いします。

派遣村実行委員会
事務局連絡先:080-4123-7027
mail hakenmura@mail.goo.ne.jp
fax 03-6458-3670

**********************************
『あたたかな春を迎えるためのマニュアル』
       (発行:派遣村実行委員会)
**********************************
A4版、24ページ

◎PDFファイルがこちらからダウンロードできます。
url:http://www.k5.dion.ne.jp/~hinky/hakenmura/hakenmura.pamphlet09haru.html

< も く じ >
まえがき(村長:湯浅誠)
◎解雇・雇い止めを通告されたときに
【1】とにかく認めない、認めても撤回する
【2】契約満了、更新しない「雇い止め」でもあきらめない
【3】解雇通知などに同意のサインをしていたら、無効を通知する
【4】有給休暇は遠慮なく消化する
◎住まいを追い出されそうなとき、追い出されてしまったときに
【5】居住権があります。出て行く必要はありません。
【6】こうやって寮や社宅に住み続けよう
【7】もしすでに寮を追い出されてしまっていたら・・・
◎労働組合に相談しよう
【8】労働組合でできること
【9】スタッフのサポートを受けながら会社と交渉する
◎困ったときにはセーフティネット
【10】雇用保険の失業給付
【11】「就職安定資金融資」事業
【12】生活に困ったときの生活保護制度
◎女性たちへ ? もしあなたがこんなことに困っていたら
<資料編>(生活保護関連資料など)
<各種支援団体の連絡先>(労働組合、生活保護支援団体など)